【英国会計士計算】エリザベス女王の国葬費用はいくら?イギリスの過去の国葬などとも比較

9月19日(月)、ここイギリスではエリザベス女王の国葬で休日でした。朝からBBCで様子を見ておりました。とても荘厳で「いくらぐらい費用が掛かっているのか?」と思わず考えるほどでした。独自の計算で費用を算出してみます。また、過去の国葬級の費用も紹介致します。

日本では安倍晋三元内閣総理大臣の国葬費用が話題になっていますね。

目次

エリザベス女王の国葬費用はいくら?

現時点では、公式に「エリザベス女王の国葬費用はいくら」と発表されていません。

ただ、イギリス各紙(Evening Standardなど)では、

「The Queen’s Mother’s funeral」(エリザベス王太后の準国葬):2002年4月9日に葬儀

を一番最近の国葬級の例として紹介しています。

その費用ですが、

£5.4million(540万ポンド)
日本円だと、約10億円:2002年の交換レートが1ポンド辺り187.95円)

と発表されています(引用元:Evening Standard)。

給与増加率から算出!

2002年、540万ポンドかかった準国葬費用は、現在価格(2022年)に換算するといくらぐらいなるのか?

2002年から2022年までの給与増加率を調べてみたところ、年によって大きな幅がありました(最大で5.9%、最低で0.2%)。

これらの平均値と、直近の給与増加率が大体近かったので、この算出には

給与増加率:3.6%

を使用致します。

仮に、2002年から2022年まで毎年3.6%増加するとして・・・

増加倍率:2.1倍

という結果が導き出されました(あくまで仮定を基にしております)。

この増加倍率である2.1倍を540万ポンドにかけますと・・・

£11.34million(1,134万ポンド)

という額が算出されました。

これを日本円に算出する為に、HMRC(英国歳入税関庁)が発表している2022年9月の交換レートを引用しますと、

1ポンド = 161.6703円

となっております。

£11.34million × 161.6703円/£

と交換レートから円換算しますと・・・

約18億3,300万円

という結果になりました。

あくまで、「エリザベス王太后の準国葬」と同レベルだったとして、

エリザベス女王の国葬の費用は約18億3,300万円

は掛かるということになりますね。

ただ、エリザベス王太后は偉大な方でしたが、エリザベス女王は更に偉大な方でしたよね?

しかも今回は「国葬」です。

となると、この額は「最低掛かる費用」と考えておいたほうが良いでしょう。

イギリスの過去の国葬級を紹介

2002年のエリザベス王太后の準国葬の以外で、イギリスで記憶に残っているのは・・・

フィリップ殿下の葬儀(2021年)

フィリップ殿下はエリザベス女王のパートナーですし、国葬になるかどうかはわかりませんが、壮大な葬儀になるはずでした。

ただ、昨年は3度目のロックダウンもあり、国全体がパンデミックの影響で「大きなイベント」を控えている時でした。

よって、葬儀はとても小規模で行われた為、費用も非常に少なかったと言われています。

サッシャー元首相の葬儀(2013年)

日本でもお馴染みの、マーガレット・サッチャー元首相の葬儀は2012年4月に執り行われました。

「イギリス病」(社会保障が充実し過ぎで経済力低下)を克服し、日米と共に「冷戦」と戦った強いリーダーでしたね。

英国や世界にもたらした貢献度からいくと「国葬」という声も多かったですが、同時に「格差社会を生んだ」として反発の声も多かったようです。

その結果・・・

儀礼葬(準国葬)

となりました。

準国葬費用は・・・

£3.2 million(320万ポンド)
日本円だと、約4.5億円:2013年の交換レートが1ポンド辺り141.56円)

Baroness Margaret Thatcher’s ceremonial funeral at St Paul’s Cathedral in 2013 cost the taxpayer around £3.2m.

Mirror Royals Newsletter

と報じられていますが、一方、ロイター通信が2013年4月18日に報じた費用は・・・

£10 million (1,000万ポンド):日本円で約15億円
(引用元:ロイター通信

と最終的な金額は巨額の費用となりました。

ダイアナ妃の葬儀(1997年)

1996年にチャールズ国王と離婚した翌年、1997年にパリで交通事故で亡くなられました。

という事情ですので、ダイアナ妃は正しくは元王妃であり、王室メンバーではありません。

ただ、当時のダイアナ妃の人気は元夫のチャールズ国王は比較にならず、エリザベス女王ですら危うい(負けていた可能性も高い)、イギリスだけでなく世界中で非常に高かったです。

そういった事情もあったのか、国葬に次ぐ、

儀礼葬(準国葬)

が執り行われました。

しかも準国葬費用は・・・

£3~5 million(300~500万ポンド)
日本円だと、約6~10億円:1997年の交換レートが1ポンド辺り198.14円)

Diana, Princess of Wales’ funeral – a form of ceremonial royal funeral – is estimated to have cost between £3 million and £5 million in 1997.

Mirror Royals Newsletter

という、2002年のエリザベス王太后に匹敵するレベルとなります。

しかも25年前ですから、現在価値だと約2.5倍ぐらいになるので・・・

約13~25億円

というとんでもないレベルになりますね。

まあ、これぐらいしていないとイギリス全体で抗議デモが起こっていてもおかしくない状態でした。

チャーチル元首相の葬儀(1965年)

イギリス首相だった、ウィンストン・チャーチル卿は、

国葬

でした。

英国王室のメンバーでもなく、首相でありながら(貴族ではありますが)、「国葬」だったのでは時代的な背景と第二次世界大戦を勝利に導いた功績を称えてのことだそうです。

気になる国葬費用ですが・・・

不明

です。

国葬費用の一部が「55,000ポンド」だったらしいですが、あくまで一部ですので参考にはなりませんね。

エリザベス女王の国葬費用は?

エリザベス女王の国葬費用ですが、

過去の費用を現在価値に直した場合

エリザベス王太后の18億円は軽く上回る
ダイアナ妃の約25億円以上になる

ことから、最低でも

25億円

です。

英国のMirrorが報じた額

2022年9月16日、「Mirror」(ミラー)という新聞が報じた額が・・・

The cost of the state funeral is expected to exceed £8 million, although no official number has been confirmed.
(国葬費用は800万ポンドを超えると予想されているが、公式の数字は確認されていない

(引用元:「Mirror」(ミラー)

最低でも800万ポンドと発表されています(推測で)。

HMRC(英国歳入税関庁)が発表している2022年9月の交換レートを引用しますと、

1ポンド = 161.6703円

ですので、

800万ポンド × 161.6703円 = 約12.9億円

となり、日本の一部報道では、

エリザベス女王の国葬費用は13億円!

と言われていますが、

正しくは・・・

エリザベス女王の国葬費用は13億円を遥かに超える!正確な額は不明!

と英語の記事には書かれているので、誤訳された可能性が高いですね(或いは、低く誇張している)。

最終的な国葬費用(予測)は?

ただ、今回BBCの放送を朝から夜まで見てましたが、あまり荘厳な感じでしたので・・・

30~50億円

かかっていてもおかしくないですね。

ただ、この額も「王室の所有物」を使用した結果、場所代が掛からなかったり近衛兵などは給与で働いているので、別途かかっていないだけで潜在的にはいくらかかったかは分からないでしょう。

それでも、エリザベス女王の基で(直接ではないですが)、10数年イギリスで働いてきた身としては、イギリスで税金を納めている立場としても納得しています(まあ収めた額は少ないですが)。

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