NI(国民保険)は、イギリス(主にロンドン)に来られる日系企業の方々や現地で起業される方で、従業員を雇用し給与を支払われる場合、必ず必要となる知識です。NIって何?という疑問をサディキズ会計事務所協力の基、解決させて頂きます。
NIの言葉の意味から、NIの税率や控除額の紹介、そしてその知識を生かした簡単なNI計算練習のコーナーもあります。
NI(国民保険)
NIって何ですか?
まずNI(エヌアイ)の言葉の意味について簡単にご説明致します。
「National Insurance」は「国民保険」のことです。
NIってみんな必要ですか?
英国に居住し、給与を受け取られる場合は通常、必ず源泉徴収されます(例外もあります)。
その場合、NI番号を取得する必要が出てきますが、これは別記事でご紹介致します。
Employee NI(国民保険 従業員負担)とは?
NIは2種類ありますので、まずは「Employee NI(国民保険 従業員負担)」からご紹介致します。
国民保険 従業員の税率は何%?
国民保険の税率についてですが、従業員に関連する「Class 1 National Insurance」について、 2022/23年現在のものをご紹介致します(イギリス政府サイトから引用)。
ここでは一番メジャーな「Category A」をご紹介致します。
- Primary Threshold (PT) ~ Upper Earnings Limit(UEL) 13.25%(Category A)
- Upper Earnings Limit(UEL) を越える額 3.25%(Category A)
更には、上記の税率がどの額に適応されるかを把握する為に、一部抜粋したデータを記載致しました。
- Primary Threshold(PT) £9,880(年間)£823(月間)
- Upper Earnings Limit(UEL) £50,270(年間)£4,189(月間)
ここからわかることは、
£9,880(年間)或いは、£823(月間)以下は課税されない
それ以上(UELの額まで)は13.25%課税される
Employee NI(国民保険 従業員負担)を計算してみよう!
「Employee NI」って何か難しい感じがしますよね?
大丈夫です、シンプルなもので練習してみましょう。
例えば、給与額が月£2,000で、カテゴリーが「A」だった場合ですが、
でしたよね?
されますので、
となります。
Employer NI(国民保険 雇用者負担)とは?
NIにはもう一つ、雇用者が負担する分があります。
これは従業員の方々の給与から源泉徴収したNIに雇用者が別途NIを足して、HMRCに納税するということになります。
国民保険 雇用者負担の税率は何%?
国民保険の税率についてですが、雇用者に関連する「Employer National Insurance」について、 2022/23年現在のものをご紹介致します(イギリス政府サイトから引用)。
シンプルに考察する為に、従業員が「Category A」だった場合のみご紹介致します。
- ~ Secondary Threshold (ST) 0%(Category A)
- Secondary Threshold (ST) ~ 15.05%(Category A)
実際はもっと細かく表記されていますが、要約するとこうなります。
次に、 上記の税率がどの額に適応されるかを把握する為に、一部抜粋したデータを記載致しました。
- Secondary Threshold (ST) £9,100(年間)£758(月間)
ここからわかることは、
£9,100(年間)或いは、£758(月間)越えたら15.05%分、雇用者が追加負担する
Employer NI(国民保険 雇用者負担)を計算してみよう!
それでは、こちらも練習してみましょう。
例えば、給与額が月£2,000で、カテゴリーが「A」だった場合ですが、
でしたよね?
されますので、
となります。
こちらは給与からの源泉徴収ではありませんので、雇用者としては給与の£2,000プラスこちらの額を負担する必要があります。