サディキズ会計事務所よりご提供させて頂く「簡単解説シリーズ」ですが、今回はイギリスのVAT Number (付加価値税番号)の登録についてです。登録要件や、義務なのか任意なのかの線引きもご紹介致します。
VAT Number (付加価値税番号)がある場合
VAT Number (付加価値税番号)とは、商品やサービスに
して販売する為に必要となる番号です。
例えば、£100の商品を売る場合は£120で販売します。
£100が売上で、£20が徴収したVATとしてHMRCに納税する必要があります。
逆に、£100の商品を仕入れて、VAT20%分の£20を追加で支払った場合、この£20はHMRCより還付として受け取る事ができます。
VAT Number (付加価値税番号)の登録要件
VAT Number (付加価値税番号)の登録要件についてお話します。
月末の段階で
売上高の合計(過去12カ月間の課税対象分)
がVAT Number (付加価値税番号)登録を義務付けられる金額である、
£85,000(2022年時点)
を上回っている場合は登録しないといけません。
VAT Number (付加価値税番号)の登録を任意でする?
前述した、義務要件を満たしていない場合はVAT Number (付加価値税番号)の登録をする必要はありません。
それでも、企業の中にはVAT Number (付加価値税番号)を「任意」(Voluntary)で登録される場合があります。
販売が英国外
イギリスでビジネスを展開している企業の中には、
商品販売は英国外
仕入・経費は英国内
という状況も結構あります。
この場合ですと、
売上のVATはゼロ
仕入・経費は20%払う
という状況がおきますので、
VAT Number (付加価値税番号)と登録しておけば、20%分の還付を受けることができます。
マーケット調査が主目的
或いは、マーケット調査が目的の支店である場合・・・
売上はゼロ
経費は英国内
といったケースもあります。
この場合ですと、
売上のVATはゼロ(売上が無いので)
経費は20%払う
という状況がおきますので、
VAT Number (付加価値税番号)と登録しておけば、20%分の還付を受けることができます。
但し、注意が必要です。というのは、
HMRCは「売上を上げる」企業に対してVAT Number (付加価値税番号)を付与するからです。
VAT Number (付加価値税番号)の本来の目的は、
税金の回収
です。
なので、「還付目的」があからさまだとVAT Number (付加価値税番号)を発行してもらえないケースも多いです。
こちらに関しては、専門家にご相談されるのがよいでしょう。
企業価値を高める
イギリスで様々な顧客や流通相手とビジネスをしていくうえで、「信用度」というのは非常に大事です。
イギリス人でも知っている企業もあれば、日本では有名でもイギリスではピンとこない企業もあります。
また、特に個人で企業を立ち上げた場合は「信用度」はまだありません。
その場合、VAT Number (付加価値税番号)を所得していると、企業としての信用度が高く見られます。
そういった目的で取得される企業もあるようですね。