イギリス鉄道の救世主とも言われている「日立製作所」ですが、なぜ選ばれたのでしょうか?10年後にはイギリス新幹線「のぞみ」が時速360㎞で運行されると期待されています。「HS2」計画の成功を期待してご紹介致します。
日立製が選ばれた理由は?
クラス800シリーズ
イギリス政府は、イギリス鉄道の古いインフラや車両を更新させるにはどうすべきか悩んでいたそうです。
確かに、イギリスの鉄道は100年以上の歴史があり、しかも大切に使用しきたのが皮肉なことに裏目となり、時代遅れのテクノロジーが残ってしまいました。
そこで、『Intercity Express Programme (IEP)』(都市間高速鉄道計画)を立ち上げ、主要幹線の長距離列車で老朽化が著しいものを新型車両へと変えていく方針を打ち出しました。
そのために、メーカー各社へ入札を求めたところ、日立製作所が、
を前面に押し出し参加されました。
2012年7月、「IEP」に使われる車両「クラス800シリーズ」を122編成、合計866両を英国政府から受注することに成功しました。
HS2用の新型車両
日立製作所はアルストム(フランスTGVのメーカー)と共同で、「最高時速360kmのイギリス高速鉄道向け車両を製造」することになっております。
2021年12月9日の発表によると、「日立レール」(鉄道システム事業における日立製作所のグループ会社)と、「アルストム」が50%ずつ出資して設立した、
が、現在イギリスで建設中の高速鉄道「High Speed 2(HS2)」用の新型車両の製造、並びに保守を受注されたそうです。
契約金額は総額19億7000万ポンド(約3000億円)で、高速列車54編成(欧州最速となる最高時速360km)の設計・製造に加えて12年間の保守業務となる大型計画だそうです。
HS2用の新型車両の性能は?
- 1編成8両・全長200m・定員500人以上
- 世界最高峰のエネルギー効率(軽量化・エアロダイナミクス・回生エネルギー・最新駆動技術)
HS2用の新型車両は、
を生かした姿になる予定だそうです。
この「V300 ゼフィロ(ZEFIRO)」とは、
既に、イタリアでも実績がある車体なので安心できますね。
イギリス新幹線「のぞみ」が「HS2」の要!
2029~33年の開通を目指している、次世代高速鉄道『High Speed 2』(通称:HS2)にとって、何より必要なのはハイスピードで運行できる車両であることは明白です。
この車両を、前述した日本の日立製作所が提供されるということで、バーミンガム在住の筆者は正直なところ「ホッと胸をなでおろしました」。
何といっても、「新幹線の日立」ですから、これ以上の信頼と安心、そして期待感はないでしょう!
これにより、計画している、
という、夢のような話が現実味を帯びてきました。
更には、「新幹線のぞみ」クラスの快適空間が味わえると思うと今から待ち遠しいですね!