【イギリス鉄道】約50%が遅延の理由は運転手のトイレ!それでも乗客はクールに返金請求!

イギリスの鉄道は基本的に遅れます」と聞いて「なぜ?理由は?」と思われるでしょう。それでも列車を待っている乗客は激怒せず、静かに乗車・下車します。ただ、冷静に返金請求をするだけで。今回は、その理由や背景をご紹介致します。

目次

イギリスの列車が約50%も遅れるのは本当か?

「あと30秒で列車がホームに来る!」と時計の秒針を見ながら、改札を抜け駅のホームめがけて階段を駆け上がったご経験はありますか?

筆者は日本にいる時は、ほぼ毎朝そういう状態でした。なぜなら、7時5分出発と時刻表に記載してあれば、本当に7時5分には列車が駅を出るからです。

しかし、イギリスで電車通勤をした際に、それは過去のものとなりました。

データから見るイギリス鉄道の実情

イギリスの鉄道会社「10分程度の誤差は遅延と考えない」というのが原則ですが、Network Railという会社があえて「59秒以上遅れた場合を遅延とみなす」とした上で、どれ位の列車が遅延しているのかを2011年に調査しました(発表は2013年)。

データとしては約10年ほど前ですが、基本的には大きく変わっていないのが実情なので参考になります。

定刻通りの発着率:47.4% 『Virgin Trains on the West Coast Mainline』(ヴァージントレイン西海岸本線)※現在はAvanti West Coastが運営

イギリス国内では、「国家のスキャンダル」と騒がれていたそうです。

筆者はこの列車を2012年から2020年まで、London Euston (ロンドン ユーストン) ~ Birmingham New Street (バーミンガム ニューストリート)間(所要時間は1時間23分)を、月曜日から金曜日まで毎朝・毎晩乗っていたのであまり驚かなったですが・・・(5日間連続遅延とあったので)。

ちなみに、他の結果は以下のようになります。

定刻通りの発着率:45.2% 『Cross Country Service(クロスカントリーサービス)』(Abderdeen~Penzance間)

しかし、健闘した列車もあるのです。

定刻通りの発着率:87.5% 『Chiltern(チルターン)』

なんと、ほどんどの列車が定刻通りに運航されたいたという奇跡が(失礼)。

筆者もたまに使用していたのですが、この列車は確かに遅れたことはほとんど無かったですね。

London Marylebone (ロンドン マリルボーン) ~ Birmingham Moor Street (バーミンガム ムーア ストリート)を1時間45分前後で運行しています(昔は2時間15分ぐらいかかっていた)。

運賃もVirgin Trainより安く、座席の幅も広く、Wifiがかなり昔から無料という良いことばかりだったのですが、車両が少ないので座ることはほとんどできませんでした・・・。

そして、2011年のイギリス全体での平均ですが・・・、

定刻通りの発着率:69.8% 

つまり、約3分の1の列車が定刻通りに発着していないという結果になりました。

ちなみに、日本の鉄道のデータですが、

定刻通りの発着率:90%以上

さすが、「世界一優秀な鉄道」と言われるだけのことはありますね。

イギリスの列車はなぜ遅延するのか?

日本の鉄道会社や駅員の方々が非常に優秀なので、日本の鉄道が世界一なのはわかるとして、イギリスも先進国であり、何より「鉄道発祥の国」なので、ここまで遅延が横行するのには何か理由があるのではと気になりますね?

従業員ファースト

これが大きな理由の一つですが、日本だと大体の企業が「会社ファースト」だと言われています(最近は変わってきているそうですが)。

しかし、イギリスは何より「従業員ファースト」で「家族ファースト」ですので、従業員やその家族の事象であっても会社よりそちらを優先します。

イギリスでの運休・遅延の原因は、従業員が少ない・従業員がいない

えっ、そんな理由?だったら増やせばいいじゃないか?と思いますよね?

日本だと、こういった事態に備えて、代わりの乗務員が待機しているらしいですが、イギリスでは予備の乗務員はいません。

筆者も8年間、毎日乗っていたので何度か以下のようなアナウンスを聞きました。

  • 運転手が遅刻しているので遅れてます
  • 運転手が体調不良で遅れてます
  • 運転手がトイレで用を足しているので遅れてます
  • 運転手がいないのでキャンセルです

日本だったら怒声が飛び交いそうですが・・・。さすがに筆者も最初の頃は、怒り心頭でしたが、だんだんと苦笑できるようになりました。ちなみに、周りの人々は特にリアクションが無いですね。

イギリスは上下分離方式

日本であればJR各社が列車運行とインフラ管理を一体管理されているので、故障等への対応や事前防止が非常に迅速で優れています。

しかし、イギリスは列車運行とインフラ管理が別の会社が執り行うという「上下分離方式」の為、列車運行の例えばヴァージントレインが「線路が老朽化しているので修理を」とお願いしても、インフラ管理のネットワーク・レイル(100%政府出資)が「いや、まだでしょ」と断れば、事故が起きやすくなります。

実際に、故障関連で列車が遅れることも多く、以下のようなアナウンスを聞くこともありました。

  • 風が強くて電線が切れました
  • 猛暑で電線が切れました
  • 葉っぱが線路に落ちて運行できません
  • 停電で一部の路線が使えません

まあ自然の力には逆らえないので仕方ないものもありますが、もうちょっとインフラ整備も日本ぐらい頑張ってくれれば遅延は減るのではないでしょうか?

イギリス文化?

「日本のサービスは世界一、なぜなら日本の消費者が世界で一番要求レベルが高いから」と、ハーバード大学ビジネススクールのマイケル・ポーターさんが言ったそうです。

つまり、日本の鉄道レベルが世界一なのは、日本の乗客が1分でも遅れたら激怒するからであるということになります※筆者は大阪人なので、そういう光景を毎日見ていたからそう思っているだけで他府県は違うかもしれません)。

日本の乗客がそこまで怒る理由は明確で、「会社や学校に遅れて怒られるから」。例え、列車の遅延であったとしても許されないですよね?

イギリスでは、「列車が遅れて会社に遅刻」しても会社にもよりますが、「大変だったね」で終わりです。なので、イギリス人は列車が遅れてもプレッシャーがほとんど無いです

更には、遅延に対しての返金請求が簡単だということですね。

イギリスではネットで簡単に返金請求ができますが、日本だと「遅延証明書」とか手続きが大変なのではないでしょうか?

そういった事情から、イギリス人は列車が遅れても、至って冷静に返金請求ができるのです。

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