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【英国会計事務所監修】イギリスでは法人税申告書提出と税金支払いの締め切りはいつ?2つが異なる理由を紹介

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イギリスで現地法人の社長とお話する際、よく聞かれるのが「法人税支払いの締め切りはいつでしたか?」というご質問です。これは締め切りが日本と違い比較的ゆったりしている為、結構多くの方が失念しているのが理由です。では、一体いつが締め切りなのでしょうか?

目次

イギリスでは法人税申告書提出と税金支払いの締め切りはいつ?

英国で会社を経営している、あるいはこれから起業を考えている方にとって、

「法人税(Corporation Tax)」の申告・納付のタイミング

は非常に重要です。

期限を守らないと罰金や利息が課されることもあるため、正確に理解しておく必要があります。

英国勅許公認会計士(ACCA)の視点から、法人税の申告書提出と税金支払いの締め切りについて詳しく解説します。

法人税の基本情報

イギリスでは、すべての会社(Limited company)が法人税の納税義務を負います。

法人税は、課税対象の利益(営業利益、投資収益など)に対して課される税金です。

税率は会社の課税所得に応じて異なりますが、2023年4月以降は以下のように段階的な税率が適用されています:

利益が£50,000以下:19%
利益が£250,000以上:25%
£50,000〜£250,000の間:段階的な引き上げ(marginal reliefの適用)

法人税の支払い期限(Corporation Tax Payment Deadline)

法人税の支払い期限は、

会計年度末(accounting period end)から9ヶ月後の月末

です。

会社の多くは会計年度末が12月31日か3月31日なので、ここでは3月31日を例にしてみます。

会計年度末:2024年3月31日
支払期限:2025年1月1日ではなく、2024年12月31日

この支払い期限は、申告書の提出期限とは異なるため注意が必要です。

法人税申告書の提出期限(Corporation Tax Return Filing Deadline)

法人税申告書(CT600)は、会計年度末から12ヶ月以内に提出する必要があります。

会社の多くは会計年度末が12月31日か3月31日なので、ここでも3月31日を例にしてみます。

会計年度末:2024年3月31日
提出期限:2025年3月31日

会計年度末から1年という猶予がありますが・・・

支払いの前に提出する

ケースが多いですね。

ちなみに提出は基本的にオンラインのみです(会計事務所がクライアント様の代わりに提出します)。

期限を守らないとどうなる?

法人税の支払い・申告の期限を過ぎた場合、以下のようなペナルティが課されます:

支払遅延の罰則
申告遅延の罰則

の2種類があります。

支払遅延の罰則

遅延期間に応じて利息が加算されます。

申告遅延の罰則

1日遅れ:£100の罰金
3ヶ月以上遅れ:さらに£100
6ヶ月:HMRCが推定課税(tax determination)を行う
12ヶ月以上:追加ペナルティ(最大で税額の100%)

提出と支払い締め切りのまとめ

法人税申告書の提出と法人税支払いの締め切りをまとめてみますと・・・

項目締め切り
法人税の支払い会計年度末から9ヶ月後の月末
法人税申告書の提出会計年度末から12ヶ月以内

となります。

しかし、なんでわざわざ締め切りが違うのでしょうか?

法人税申告書提出と税金支払いの締め切りが異なる理由とは?

前述したように、法人税の支払いと申告書の提出には、3ヶ月のタイムラグがありますよね。

ではなぜ、支払いと申告の締め切りが異なっているのでしょうか?

「先に支払わせて、後で詳細を出せばいい」

という一見不思議な仕組みには、税務行政と実務の両面から様々な理由があるようです。

理由①:キャッシュフローと税収確保のため

HMRC(英国歳入関税庁)は、国の歳入を安定して確保する必要があります。

そのため、法人税の支払いを会計年度末から9ヶ月後と比較的早めに設定し、

税収を前倒しで受け取る

仕組みを取っています。

一方、企業側にとっても、12ヶ月待たされるより早期に支払い義務が明確になるほうが、キャッシュフローの管理上予測がしやすくなります。

理由②:中小企業と大企業のバランスを取るため

大企業(利益が£1.5mを超えている)は、

四半期ごとの分割納税(Quarterly Instalment Payments, QIPs)

が義務付けられており、実質的にもっと早く法人税を支払っています。

一方で中小企業はリソースが限られるため、

分割納税は不要

とされ、9ヶ月という余裕ある支払い期限が与えられています。

ただし、大企業と同じように「決算後すぐの申告提出」を求めると、中小企業にとって過重な負担となるため、

申告書提出には12ヶ月という猶予

が与えられているのです。

理由③:決算確定と調整のための時間確保

法人税申告書(CT600)では、

会計上の利益から税務上の調整(加算・減算)

を行い、最終的な課税所得を算出します。

このプロセスには以下のような複雑な作業が伴います:

減価償却とCapital Allowance の計算
エンターテインメント費用や罰金などの税務否認項目の精査
納税猶予、損失繰越などの税務戦略の検討

これらの調整を慎重に行うには、決算後に十分な時間が必要です。

9ヶ月の間に概算で納税し、

残りの3ヶ月で最終的な申告書を仕上げる

という合理的なスケジュールが設計されているのです。

理由④:ミスの防止と修正の機会確保

申告書の作成には英国勅許公認会計士とのやりとりが欠かせません。

特に複雑な構造の会社では、関連会社間の取引や国際税務の扱いなど、慎重な分析が必要です。

HMRCは企業に

正確な申告をしてもらうことを重視

しており、期限を短く設定するよりも、

猶予を与えてミスを減らす設計

をしています。

まとめ

イギリスの法人税支払いや申告書提出の期限、そして、その2つが違う理由を紹介いたしました。

実務上のアドバイスとしては、日本語で対応できる英国勅許公認会計士事務所(Chartered Accoutants)に帳簿記帳から決算書作成、そして法人税とパッケージでご依頼するのがベストだと思います。

ご連絡先は、サディキズ会計事務所(SIDIKIES Chartered Accoutants)日本語デスク(japan.info@sidikies.com)となります。

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