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ゴッホ「ひまわり」は7種類ある!展示されている場所や美術館はどこで値段はいくら?

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ロンドンのナショナルギャラリー(英国立美術館)に展示中のヴィンセント・ヴァン・ゴッホ「ひまわり」(英語名はSunflowers)にトマトソースがかけられるという事件がおきました。不運の名画は何枚あって、どういった意味があるのか紹介致します。

目次

ゴッホ「ひまわり」(Sunflowers)とは?

ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(Vincent van Gogh)フランスのアルルで、1888~89年の間に

7枚の「ひまわり」の絵

を描きました。

4 枚:1888年8 月のわずか1 週間
1 枚:1888年11月下旬~12月初旬
2 枚:1889年1月頃

に描いたそうで、最初の4枚はハイペースでしたね。

この「ひまわり」7枚は、美術史上最も有名な一連の作品の 1 つと言われています。

ゴッホのキリスト教への信仰心を具現化した象徴

ご存じのようにゴッホは生前はあまり人気のある画家ではありませんでした。

絵を売る画商になってもすぐクビになり、伝道師(キリスト教の教職)も失敗します。

挫折の中、画風は「自然主義」へと傾倒しつつ、「宗教」(当時の画風の主流派)とで揺れ動きます。

私は昔フランスのパリ(ルーブル美術館の近所)に住んでいた時に、南仏の町アルルへ訪れたことがあります。

アルルはパリと違い、自然豊かで太陽も照る温かい気候の町でした。

ゴッホもそのアルルで生活していた時期もあるそうですが、その時に南仏の太陽に心を癒されたそうです。

元々、ゴッホの父親が神父でもあった為、キリスト教への信仰心は厚く、それ故に教会を描くことも多かったそうです。

しかし、彼の心を教会は救ってくれませんでした。

代わりに、太陽が彼の心を救ってくれました。

古代ヨーロッパ人は太陽を神として崇めていましたが、キリスト教の台頭で古代の神々はすべて葬られました。

ゴッホは、

キリスト教の神と太陽神(キリスト教ではタブー)

の間で揺れます。

それでも、太陽を神として信仰する方向へ動いたゴッホの心は、彼の描く絵にも影響を与えました。

太陽を信仰する場合、「ひまわり」は特別な意味を持ちます。

「ひまわり」は太陽の方向を向いて咲く花ですので、信仰心や愛の象徴

として描かれることが多かったようです。

つまり、ゴッホにとっての「ひまわり」とは、彼の

神への信仰心の象徴

だったのです。

芸術家仲間を集める家に飾る為の絵画として

南仏で生活するゴッホには夢がありました。それは・・・

南仏の太陽を信仰する芸術家仲間を集めること
その仲間達と共同体を作ること

でした。その為に、

「黄色い家」

と呼ばれる家を借り、芸術家仲間を招待しました。

その「黄色い家」には「ひまわり」が飾られていました。

ゴッホのこのアイデアに賛同し集まった芸術家仲間は・・・

ポール・ゴーギャン
・・・
・・・

以上、たったの1名でした。

しかし、二人の共同生活はわずか2カ月で終了しました(ゴッホがクセのあるキャラだった為)。

ゴッホ「ひまわり」が展示されている場所は?

では、この7枚の「ひまわり」は現在、どこに展示されているのでしょうか?

1枚目の「ひまわり」(1888年8月の作品)

「ひまわり」シリーズ、第1番目の作品は、

ターコイズの背景に 3 つのひまわりがセットされた緑の花瓶

が特徴の作品です。

展示場所ですが・・・

個人所有

となっていて一般公開はされていません。

2枚目の「ひまわり」(1888年8月の作品)

「ひまわり」シリーズ、第2番目の作品は、第1番目のものと似ていて・・・

花瓶に 3 つのひまわりが描かれている
背景は紺色
さらに 3 つのひまわりがテーブルに置かれている

といった特徴があります。

展示場所ですが・・・

日本の芦屋にありましたが、
1945年、アメリカ軍の「芦屋大空襲」で焼失しました

という事情で現存していません。

名探偵コナン 業火の向日葵」(2015年公開)の影響もあって、

「芦屋のひまわり」

の名前が現在でも多くの人に知られているようです。

3枚目の「ひまわり」(1888年8月の作品)

「ひまわり」シリーズ、第3番目の作品は、

明るいターコイズの背景
14本のひまわりが描かれている
花瓶とテーブルは黄色に塗られている

といった特徴があります。

展示場所ですが・・・

ノイエ・ピナコテーク美術館(Neue Pinakothek
ドイツのミュンヘン

です。

4枚目の「ひまわり」(1888年8月の作品)

これまでの3作品のような「黄色と青のコントラスト」では無く、

黄色の背景
15本のひまわりが描かれている

といった特徴があり、この第4番目と前作の第3番目が、

「ひまわり」シリーズで最も重要

である為、ゴッホは自分の名前である「Vincent」とこの2作品のみにサインをしています。

この2作品は、

ゴッホの「黄色い家の客間寝室」

に彼の友人で、芸術家仲間である

ポール・ゴーギャン

の為に飾られていました。

展示場所ですが・・・

ナショナルギャラリー(National Gallery):英国立美術館
イギリスのロンドン

にあります。

これが、今回トマトソースの被害を受けた作品です。

5枚目の「ひまわり」(1888年11~12月の作品)

「ひまわり」シリーズ、第5番目の作品は、1888年11月下旬から12月上旬にかけて描きました。

ゴッホは成功し重要と思った作品のコピーを頻繁に作成するようになりました。

オリジナル作品は自分の為に保管しておき、コピーは家族や友人などに渡し、販売目的での展示を行いました。

第5番目の「ひまわり」は第4番目に似ている

といった特徴があります。

展示場所ですが・・・

東郷青児記念「損保ジャパン」日本興亜美術館
日本の東京、JR新宿駅西口より徒歩5分

にあります。

6枚目の「ひまわり」(1889年1月の作品)

「ひまわり」シリーズ、第6番目の作品は、

第3番目の「ひまわり」の「完全に同じで瓜二つ」のコピー

です。

展示場所ですが・・・

フィラデルフィア美術館(Philadelphia Museum of Art)
アメリカ合衆国ペンシルベニア州フィラデルフィア

にあります。

7枚目の「ひまわり」(1889年1月の作品)

「ひまわり」シリーズ、第7番目の作品は、

第4番目の「ひまわり」の「完全に同じで瓜二つ」のコピー

です。

展示場所ですが・・・

ヴァン・ゴッホ美術館(Van Gogh Museum)
オランダのアムステルダム

にあります。

これは、実際に見に行ったことがあります。

ゴッホ「ひまわり」はいくら?

第2番目の「ひまわり」の値段は、1919年に実業家の山本氏が

7万フラン(約2億円)

で購入されました。

第5番目の「ひまわり」の値段は、1987年3月30日安田火災海上保険(現損害保険ジャパン日本興亜)

約53億円

でイギリス・クリスティーズのオークションで落札しました。

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